扱っているロープの話(技術の話)

2011年11月3日 18:50 comment(2) [高所作業]


今年の秋は暖かいです。
今から、冬の寒さがとっても恐ろしい気がしてなりません。


レスキューやロープアクセスの業界では、
よく、「アメリカ系」「ヨーロッパ系」と区別されて考えられます。

どちらがどうと言われると困るのですが。。。

あえて言わせて頂くとすれば

「どちらも、理解し「訓練」していれば安全面では同じです。」

主眼に置いている「優先」されてる事が違うため、
発想する観点の違いから作られた資機材が違うので
それに伴う技術が違うだけだと思います。


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昔、私が勤めていた会社は、電話関連の業務が有り、
月に一度、米軍岩国基地に「入国」していました。

先輩が言うには、
アメリカ人は多くの人種の集まりで、考え方も違う。
特に注意する事は、大陸(アメリカ)系の人と
ヨーロッパ系の人はいつも喧嘩している。

元々が違うのに折り合いのつかない事で主張し続ける。

って言ってた事を思い出します。

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欧州は
・2000年以上の歴史が有る。
・様々な国家間の折り合いを着けてきた(時には戦争も)
・EUやユーロで一つにまとまった(?)
・米国は欧州から移民して行って出来た新参国。
と云う考えが根底にあり、

米国は
・宗教上の迫害等から逃れた人たちが多く移民。
・結果、「自由・平等・平和」を求められる国として英国の植民地支配から独立。建国235年。
・自分たちで作り、守り、そして大国となった国。
・大量生産、大量消費、数に物を言わせる。
と考えている。

ちょっと「無茶ブリ」的な発言と受け手られた方。m(_ _)m

そういった根本の部分が違う事を理解する必要が有るかもしれません。




資機材で一番重要なロープを考えてみましょう。
産業用としてどちらも広く使用されている11mmのロープでです。

欧州
セミスタティックロープが主流です。
強度は、概ね30kN、伸び率は、欧州規格の3〜5%

特徴としては
良い点
・アクシデントの際には、衝撃を吸収してくれる。(フォールファクターに対して)
・ハイライン(展張線)に人が荷重した時にロープが伸び、
 アンカー部分に加わる負荷を低く抑える。
配慮する点
・長い使用(全長)の場合、伸び縮みが大きい。
・大きな荷重が加わった場合、ノットが解けなくなる。(15kN程度の負荷)
・プルージックの使用に適さない。(軽負荷のみに限定)


米国では
ライフ・セフティー・ロープのNFPA-(L)スタティックロープが主流です。
強度は、概ね30kN、伸び率は、NFPA規格の2〜6%

特徴としては
良い点
・伸びが少ないため、吊り上げ作業等、効率が良い。
・ハイライン(展張線)に人が荷重した時にロープが伸びないため
 地面との距離が取れる。
・プルージックの使用が有効。(スリップロードを考慮に入れられる)
・長い使用(全長)の場合でも、伸び縮みが少ない。
配慮する点
・アクシデントの際、人体に重大な障害を被る可能性が高い。
・ハイライン(展張線)設置の際等、アンカーの強度を検討


一概には言えませんが、

・欧州のロープは人にやさしく、低負荷向き
・米国のロープは効率重視で、高負荷作業向き

という「優先」している根本の考えが見えてくると思います。


欧州の人たちの気質、自分たちの事は自分たちで解決する。
米国の人たちの気質、複数で「ごっそり」効率よく処理する。

がよく表れているように思いませんか?


ロープアクセスの分野でも
欧州系の「IRATA」
米国系の「SPRAT」
って分けて考えられている向きもあります。

私は、どちらかを採用すると、残りの一方が見えなくなる。
あるいは、受け入れなくなる。という事になるのを危惧しています。

なんだか「もったいない」気がしませんか?


現時点で「高所作業」の技術分野はある意味「自由」なわけで、

・人間がオンロープで作業する場合。
・機械や装置を高所に取り付ける場合。

それぞれに適した資機材や技術が有っていいと思います。


現場の作業は、業種の数ほどあります。
それぞれの業務に最適な資機材と技術を手にされるのが一番だと思います。




ロープの伸び率、「そんなに変わらないけど。。。」と思われた方。
するどいです。

またの機会に。。。。。(*^_^*)



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