「Retrieval」という発想

2011年10月28日 22:22 comment(0) [高所作業]


久々の投稿です。

秋が近づいています。

美味しいものをいっぱい食べて、美しい景色をいっぱい見て心をリフレッシュしたいと思います。


みなさんは、ロープと資機材を使用してビルの屋上からディセンド(降下)する時、アンカーを作成されると思いますが、何に主眼を置いて作成されますか?

・不用意に解けないアンカー
・絶対に崩壊しない頑丈なアンカー
・万が一、アンカー、カラビナが壊れても安心できる複数アンカー
・ロープ強度の低下を極力減らすアンカー
・荷重方向の変化に対応できるアンカー
・とにかく素早くセット出来るアンカー

と云った処でしょうか。


写真を見て頂きましょう。

イメージ


ロープアクセスでは、もっとも基本的なアンカーの方法で

・ダブルループフィギュアエイト
・ダブルフィギュアエイト
・ラビットノット

とか呼ばれています。


「もっとも基本的」と言いながら、私は殆んどこのアンカーを作成しません。

各々のアンカーが離れているような場合、「出が(足が)長い(遠い)」と表現する事が有りますが、システム自体が大きくなるのでノット作成に時間が掛かったり、アンカーでロープをたくさん使い、残りのロープが短くなり、途中で繋ぐ必要が発生する場合もあります。

もう一つ、大変重要な事です。

そのロープにぶら下がっている「作業員」が電線などに触れ、感電したとしましょう。どのように救出しましょうか?

・急いで引き上げる(重労働です)
・急いでアンカーをセットし、レスキューに向かう(時間が掛かります。二次災害の可能性も。。。)

実際、事故が起きると救助できるスキルと資機材が手元に有るとしても「大変」な作業です。




「そんなこと!言ってたら仕事にならん!」とおっしゃる方に良い方法をご紹介いたします。

ご紹介するアンカーは、全く違う観点から考えたアンカーです。

みなさんは「Retrieval」(レトリーブ?レトリーバル?)と云う言葉を耳にされた事がありますか?

日本語では
取り戻す、回収、回復、検索、修復、挽回、ミスの埋め合わせ、償い、etc・・・

狩猟犬でRetriever(レトリーバー)っていますが、語源は「撃ち落とした獲物の水鳥を持ち帰る犬」との事なので思い出しやすいですね。


ロープアクセスでは

・レスキュアーをオンライン(宙吊り)にすることなくロープアクセス作業者を救出するための手順。


と言えます。


米国系のロープアクセスの作業資格で「SPRAT」と云うの協会が有ります。
Society of Professional Rope Access Techniciansの頭文字から来ていて「ロープアクセス・プロ技術者協会」とでも訳せば正解でしょうか?

この協会の「救助と救出隊」の定義の中に

・作業者がオンラインの時は常時、現場でレトリーバルのシステムまたは方法を使用することができること。但し、リスクが増大したり救助に有効でない場合を除く。

・レトリーバルシステムを用いた救出の手順は、定期的に練習を行い、作業チームが不慣れな状況で作業する場合は、必ず作業開始前にも練習を行う。

とされています。


ん〜
具体的な方法が国内にはどこにもないので、考えました。「Retrieval」



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・何か起きた時には別ロープが必要です。
 ならば、最初から別ロープを用意しておきましょう。



イメージ

・墜落の衝撃を和らげてくれない場合や、製品が有ります。
 伸びると困る。でも落ちたら痛い。相反する問題をベストとは呼べなくても「多少は解決」?
 (この6mmプルのこのシステムは実験の結果、2.5kN〜4.0kNで滑り始めます)



イメージ

・資機材に余裕が有れば、最初から仕込んでいれば良いかもしれませんね。
 カラビナを外す前に、必ずバックアップして下さいね。
 (6mmプルが傷んでしまっているかもしれません。)


いかがでしょうか?

アンカーの部分が独立していれば、他の手段も発想できます。


大切な事は、危険を冒さなくても「安全」な救助の方法はいくらでもあると考える事です。




トーマス・エジソン
「There is always a better way.」

(訳)もっと良い方法が必ずあります。


もっと良い方法が有りましたら、是非とも教えて下さい。

皆さんと、「もっと安全な高所作業」を目指して行きたいと思います。





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